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ローテンション・トレジャーハンティング

■パズル#10 最終回
 石原さとみ主演のおふざけドラマもこのたび最終回を迎えました。毎回毎回お決まりのパターンで展開してきた宝探し殺人推理ドラマでありましたが、最後の最後まで低空飛行。「TRICK」的なものを作りたいのはよくわかるのだが、比べるまでもなく悲惨な出来の駄作で終わったように思います。

 というわけで最終回は“海賊の残した秘宝”争奪戦。むろんそんなものがあるはずもなく、真相は「強盗で奪われた骨董品」を「合法的に手に入れるため」に犯人が仕組んだ宝探しゲームだったというオチ。骨とう品を盗まれてしまった被害者も、そのゲームに参加して宝を奪い返そうとするのだが、案の定殺されてしまったり、真相に気づいてしまった学者先生も殺されてしまったりと、なんだか乱暴な脚本でした。というか、宝を盗まれた人は警察に届けておけばそれでよかったのでは…。

 この作品、なんだかんだ言いつつ全話見てしまったのですが、こうして振り返ってみるとやはり駄作だったなという感想しか持てない。基本的に一話(50分尺)の中で事件のあらましや殺人、そして犯人の推理というすべての要素をブチ込んでいるおかげで、ドラマというドラマはないに等しいし、毎回登場する魅力的な舞台設定やゲストキャラクターの掘り下げも全然できていない。全ては石原さとみ演じる強欲教師鮎川と、その生徒三人組のコントを描くためのおぜん立てであり、いわゆる“堤幸彦”的なミステリーを期待して観た人は、皆憤慨したことであろう。

 で、主人公・鮎川のキャラクターもかなり苦しいものがあり、強欲なのはいいのだが、何が原因でそうなのかが最後の最後まで全く描かれなかったため、共感も同情もできなかったのが痛い。世間的な善悪でいえば間違いなく悪人なので、そんな奴が主人公では、犯罪者を追い詰めるというカタルシスすらも帳消しになってしまうのだ。
 このあたりは設定の完全な失敗と言わざるを得ない。これが「TRICK」であれば、主人公・山田の極貧生活やら悲惨な日常やらがこれでもかというほど描写され、そしてお金や報酬目当てで事件の起こる場所へ出向いていくという流れに説得力が出るのであるが、本作においてはそういった“裏打ち”的な説得力が皆無。結局のところ「鮎川=強欲なだけの女」という図式に引きずられ、コメディータッチの内容であったとしても、それを心から楽しむことが出来なかったわけである。まったくもって残念と言わざるを得ない。

 生徒三人組もキャラが立っていないわけではないのだが、物語に絡んでいく動機が弱い弱い。毎回たぶらかされる別の学校の女学生との絡みも、劇中ではほとんど描かれなかったし(せめて悪女である事に気づくような描写でもあれば…)、その女学生連中にしても、毎回中盤以降は出番が皆無だったのだから評価のしようがないのだ。キャラクターを素材と割り切って扱いすぎたが故の弊害か? せめてもの救いは、最終回のラストで外国人のコソ泥と共に警察に連行されるシーンがあった事ぐらいか。それでもまだ弱いのだが。
 また、生徒三人組を秀才という設定にするために持ち出した「進学校」という舞台もまた、あまり生きていなかったのが残念である。学校として描かれたのは、毎回冒頭で行われる「英単語のダジャレ」と、オチの「剣道部顧問のシーン」ぐらいであり、無理して出さなくても…という印象が拭えないのは否めない。というかさ、ああまで毎回同じ流れに徹したのは、ある意味で凄いことだと思う。普通、途中で何らかの変化球が出そうなものだからね。

 そんなわけで、最後の最後まで低いところで安定した作りだった「パズル」。多分、続編は出ないと思うが、面白いかつまらないかでいったら、間違いなく「面白かったよ」と言える作品であったことも最後に強調して起きたい。駄目なところばかりが目につくドラマではあったが、製作者側のやりたい事はいかんなく表現されていたことだろうし、なにより頭のくたびれないネタが多かったのは好感触だった。世間の評価はもちろん低いと思うが、思い出した時にでも再放送されれば、そこそこの支持は得られるのではないか、とも思うのである。


■マトリックスリローデッド
 こちらはかの有名映画。金曜ロードショー枠にて観賞しました――といっても、私はシリーズ全3作品に加えてOVAやメイキングやらを詰め込んだDVD-BOXを持っているのだが、それでも好きな映画が地上波放送されるとついつい見入ってしまうのがファンの悲しい性なのだ。関係ない話だが、近々、「ネブカデネザル号のフィギュア付き」ブルーレイDVD−BOXも出るようである。

 映画が公開されてからもう随分と経つが、その頃に感じた熱はさすがに冷めており、今見なおすとかなり粗が多く、ちょっとばかし“お寒い映画”だな、とも感じた。公開当時にも「ウォシャウスキー兄弟の壮大なオナニー映画」という酷評がなされたが、今になってみると、そういう見方もさもありなんという感じである。細かい点を逐一あげつらうつもりはないが、あの無駄にダラダラと続く構成だけはもう少し何とかすべきだったのではないだろうか。見所のアクションシーン→禅問答→アクション→禅問答の繰り返しでは、さすがに構成力がないと酷評されても仕方がない。

 個人的には、ハイウェイでのカーチェイスとアーキテクトとの禅問答シーンが一番のお気に入り。この映画の最右翼と最左翼なシーンですな。特に後者はダントツで意味不明なシーンと評されていますが、今観直してみてもやっぱり今一つでした。日本語の訳を考えた人も相当頭を悩ませたのでは…な〜んていらぬ心配をしてしまったり(笑。

 次週は完結編の「レボリューションズ」が放送予定。二週連続とは嬉しい構成ですね。先にフジテレビでやったときはかなり間が開いての放送となりましたからなぁ…。こういった映画で“続きもの”ってのは、少なくともTV業界にとってみれば禁じ手以外の何物でもないのでしょうな。
 金曜ロードショーは、7月に入ってからジブリ映画を三本連続で放送との事。第一弾は「猫の恩返し」。TVでの放送は二回目ですね…かの「ぼくらの」を手がけた森田監督の作品ですが、そこそこに面白かった記憶が。つじあやのの主題歌が素晴らしいので、その週は11時近くになったらTVをつけるとしようかな(笑。で、続く翌週に「となりのトトロ」、その翌週には待望の「ゲド戦記」と放送するのだそうです。「崖の上のポニョ」の前夜祭的な(三週にわたってですが)構成となるようですが、肝心の映画はどうなってるんだろうね? 私としては宮崎アニメよりも、ウォシャウスキー兄弟最新作の「スピードレーサー」がちょい気になります。なんでも「マッハGOGOGO」の実写リメイクなんですってね…。

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