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映画「ひぐらしのなく頃に」観賞

 先日書いたとおり、実写版「ひぐらしのなく頃に」を観て参りました。赴いたのは池袋シネマサンシャイン。「エヴァンゲリオン劇場版」を観に行った時以来ですが、内部はあまり変わらず・・・。四番館に入ったのですが、段差の少ないなだらかな作りであり、あれでは前の方に座ったらスクリーンを観る事は至難の業でしょう。音響も悪く、ちょっと大きめの音楽が流れたりすると、スピーカーがガタガタ音を立てていました。つまるところ――視聴環境は劣悪だった、というわけで。
 私は普段、ワーナーマイカルシネマズやユナイテッドシネマの映画館を利用するので、あの至れり尽くせりな設備に慣れきってしまっているのです。でも、映画は快適な環境で観たいよねぇ?
映画公式:http://www.higurashi-movie.com/

 私は、二日前に座席予約をwebで行っておいたのですが、割り当てられた座席は後列よりの端の方。中央よりの良い席はいちはやく予約した人間の手に渡ったようですね。開場直前まではガラガラだったのに、上映直前になってふと辺りを見回してみたら、満席ではないがかなり埋まってる。平日とはいえ混んでいる方なのでしょう。やはり東京都内で上映される二箇所のうちの一つだけの事はある。

 というわけで、以下は映画の感想です。例によってネタバレを含みますのでご注意を。
 







 基本的には原作「鬼隠し編」のストーリーを主軸として、「綿流し編」で登場する入江医師や鷹野三四を加えた作り。主人公・前原圭一が雛見沢分校に転校してくる所から始まり、映画前半でレナや魅音たちとの交流が描かれます。本編中に“鬼隠し”という単語は一切登場せず、毎年綿流しの祭りの夜になると、一人が死に一人が行方をくらます――という根幹部分はさらっと流されていました。
 原作でわりと強調されていた「白いワゴン車」(小此木)の存在はとってつけたような描かれ方で消化不良。思わせぶりなシーンやセリフはそこそこあるのだけれども、いずれも生かされることなく終わってしまいました。映画終了後に、続編企画中という映像が流れるので、そういった中途半端な部分はそれ以降に描かれてゆくのかもしれませんが…。

 観客の中には、白髪頭のご老人(パッと見、70代はいっていたなぁ)もいたのですが、何を求めてこの映画を観にいらしたのでしょう…。さびれた山村を舞台にしたミステリーものとでも勘違いしたクチかな? まさか原作からのファンだなんていう可能性は…まぁ、なきにしもあらずですが。
 そういうわけで、元ネタを知らない人には何の事かさっぱり分からない映画だった事でしょう。冒頭の、担任教師を直撃する黒板消しのいたずらにしても、原作を知らない人だと「あの学校は悪質な教師いじめでもあるのか」な〜んて勘違いを招きそう。第一、雛見沢分校が全学年をひとまとめにした学校だって言うセリフもなかったくらいですからねぇ(苦笑。

 キャストに関しては…役者陣の事をよく知らないし、あまり興味もないので上手く語れないのですが、全体的に良かったのではないかと思います。魅音や富竹なんかは“いかにも現実にいそう”な感じがよく出ていましたし、大石刑事役の杉本啓太氏も快演だったかと(原作の、あの胡散臭さ全開の大石を、よくもあれだけ嫌味のない好人物に転じて演じられたものだと感嘆ものだった)。また、鷹野三四の役者の“いかにもな悪人顔”は思わず吹きそうになりました――あの人相の悪さは「こいつが犯人だ」ってバラしているようなモンじゃないか?
 反面、イマイチだったな〜と思うのは、梨花とレナ。前者は、あまりにも顔が整いすぎていて「子ども」に見えなかったのだ。役者が良すぎて原作のイメージを壊されてしまった、これは好例と言えましょう。ただね、レナは正直つらかった。あの東南アジア系の顔をした役者に竜宮レナは…無理だったのでは…。むろん、顔の良し悪しで判断するものではないのだが、個人的にはミスキャストだったのでは、と思えてならない。

 演出面も…個人的には今ひとつだったかなぁ。ミステリーというよりはオカルトホラーの作品なので、その辺も期待していたのですが、ほとんど拍子抜けするようなヌルいシーンばかりでがっかり。唯一怖かったのは、圭一が大石と電話をしているのをレナが覗き見ていたあの場面ぐらいかなぁ。他のシーンは、やたらとスモーク焚いたり、役者の狂った演技がわざとらしすぎたりでただ冷めるだけ。ひぐらし名物の「嘘だ!」に至っては、画面に「嘘だ」の文字まで表示させてしまうという芸のなさ。アレじゃあダメだよね…。
 全体的に、かつてTVで放映された「かまいたちの夜」のそれにものすごく似ていました。後半、主人公の妄想なのかなんなのか分からなくなって、うやむやなまま幕を閉じてしまうあたりもそっくり。観客に(映画を見せることによって)何をさせたいのかがまるっきり不明瞭なので、見ていてすごくかったるいのです。「真相を推理してください」ってのが圭一のメッセージな訳だけど、あれじゃあどうにもできないよね…この辺は原作からしてそうなので仕方がない部分ではありますが。

 残念だけど、これはわざわざお金を払ってまで観に行く価値のある映画ではないな――と私は思いました。内容が原作準拠である以上、アニメ版が一番出来がいいと思います。後半に行けば行くほど(真相に近づくほど)ミステリーのそれからは離れていくので、映画のシリーズが続いたとしても、今作以上に美味しくなるとは思えません。アニメと同じように「世界のループ」を描いたところで、なんだかなぁと思われるのがオチでしょうし…。映画化とは、本当に難しいものなのですなぁ。

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